K-TEN Gシステム(PAT)

2020年、TKLM140Gで初採用。K-TENシステムをベースに、機能を追加。 もっともヒット率の高い、着水からリトリーブ開始直後にかけて、ルアーのスピーディな泳ぎだしをサポートします。

Gシステムのベースとなるアイデアは、ネオジム磁石と鉄球を利用して高速で鉄球を打ち出すという、「ガウス加速器」から。理科実験からなかなか抜け出せなかった中、可能な限りシンプルな構造の中に機能性を持たせるという、K-TENシステムのコンセプトのもと、ようやく実用化に成功しました。

Gシステムの構成

Gシステムを構成するのは、ネオジム磁石と、4つの玉。通常は4つの球が磁着して並びます。この状態で最前部の小球は、ルアー頭部を振ることによる遠心力で人為的に離そうとしても全力が必要なほど強力に磁着しています。ガウス加速器の放出力がそれを上回るわけです。

Gシステムの作動

キャスト時

ネオジム磁石から後ろは、通常のK-TENシステム。キャスト時、ボディ後端にウェイトが移動し、ルアーの重心がボディ後部に位置することで、飛距離に寄与します。

リトリーブ開始

着水後、後部のウェイトはリトリーブを開始すると同時に前方へ移動し磁石に固定され、水中を泳ぐために適正な重心に戻るまでは、これまでのK-TEN システムと変わりませんが、磁石に固定される直前に加速され
Gシステム作動の瞬間
大きくなったエネルギーを磁石の前方のウェイトに伝え、最前部のウェイトを前方に放出する点がG システムの特徴です。
Gシステム作動イメージ
前方に放出されたウエイトは円形の部屋に行く1cm少々の距離の間に放出エネルギーの半分ほどをボディや他のウエイトに伝え、振動させてから回転室に入ります。Gシステムで生まれた始動アクションを助ける力が減衰した後はRユニットとして働きます。
なお、従来のR ユニット搭載ルアーでは、ルアー進行方向に向けて角度をもたせて部屋を作ることで、外部からの力と重力を利用して振り子または回転運動するため、ステイ時等に水と同調しない動きを起こすことがありますが、GR ユニットにおいては、後部ウェイトが磁石に戻る力を利用して前方のウェイトを動かす、いわば内部のエネルギーをシェルに伝達することを設計の主眼に置いてボディ横断面方向に円形の部屋を設けています。そのため従来のR ユニットとは作動のタイミングが異なり、主に初期の泳ぎ出しに弾みを付けることが目的になります。

Gシステム作動後のウェイトの振る舞い

作動後の振る舞いとしては、ランダムな姿勢に対応して、 GR ユニット内を動く(下記パターン1)か後部に移動し磁石により固定されるか(下記パターン3)になります。なお、前方ウェイトがエネルギー(スピード)を十分残したまま磁石に固定された場合(下記パターン2)、後ろのウェイトが再び後部へ移動する場合がありますが、これは初動に必要なルアーの姿勢変化をうながすためです。パターン1 の場合でも、最終的にルアーピックアップ時には、GR ユニット内のウェイトは、磁石に固定され、次のキャストに備えます。

1.GR ユニット内にとどまる。

回転中にパワーが減衰した場合、弱いながらR ユニットとして補助。

2. 勢いよく戻る。

着水後のカオスな姿勢でシェルに十分パワーが伝わらなかった場合、  残っている勢いで反対方向に二度目のガウス加速が起き、必要な姿勢変化をもたらす。

3.静かに戻る。

シェルにパワーが十分伝わり、球の勢いが減衰した場合。

ピックアップ時には定位置に

上記パターン1の状態で足元まで泳いできたとしても、ピックアップ時には最前部のウェイトはネオジム磁石に磁着します。また、キャスト動作により、後ろ2つのウェイトはテール側に移動します。

使い方としては、TKLM の特徴である頭部支点の独特なアクションと、適度なスライドを生かすために、ロッドティップ10 ㎝弱のソフトトゥイッチでアッピールとトロ引きを必要に応じて織り交ぜてください。スピードは青物相手や明るく透明度の高い時は早目、大型シーバスや暗く濁りのあるときとかは遅めとするのが基本になります。またTKLM140Gを始め、弊社のリップレス系のルアーをスムーズにアクションさせるためには、巻きながら(泳がせながら)操作することが肝心です。

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