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2008,02,15, Friday
84年5月の釣り雑誌にリップレスミノーの記事があります。プロトは、かなり以前から作られていました。元々、重心移動が無い時代に、先行するラパラ、ロングA、レッドフィンに対抗するべく作ったルンゼというリップレスミノーが始まりでした。リップを小さくしていけば飛距離が伸びる。全部取っちゃえ、と始まりは単純でした。 そのうちに、明確に泳がなくても釣れることを知りますが、まだ不足を感じていました。この試行錯誤の頃の記事を読み返すと、出来るだけリアルに(一枚ずつアルミの鱗を千枚近く貼ったこともある)細身に、また、リングをケブラーに換えてサイレントが効くとか書いている自分がいます。今から思えば、私も本格的にスズキを狙って数年、望むことは最近の若い人と同じ、きっと誰もが通る道だったのです。
その後、紆余曲折があり、88年にウッド製を市販したところ、見た目と動きが当時流通していたミノーの概念から離れていたせいもあり、あまり売れなかったのです。ここまでは、今も流行りのシャロー専用設定でした。それでも、一部の河口や干潟をテリトリーとするアングラーから少しずつ支持を受けて、なんとか90年の安価なプラ製の発売まで漕ぎ着けたわけです。ただコストの関係でK-TENのアイディンティーのひとつであるワイヤーの貫通式を採用できなかったことが心残りでした。潜りすぎないようにロッドを立てて、ゆっくり引くと小物を避けてランカーを誘えたので、(小型で細身のルアーを早引きするとフッコのオンパレードになった)干潟最強の声はあったものの、誰もがポイントを大切にするあまり雑誌にはほとんど掲載されず、細々と、サーフや河口用として認知されていきました。
![]() やがて、その独特の性質であるスライドやダートが、シイラや青物にも効くことが解り、強度と高速対応を迫られるようになります。そこで、若干潜行深度に幅を持たせた現行型BKLM140,115が登場するわけです。K-TENリップレスの暦からすると、シャロー専用から始まり、広い泳層幅をもつタイプ、チューンドで再びシャローと、変遷しています。 こうして書いていると色々思い出します。リップレスをハンドメイドで作ろうとすると、初めのうちは動きや安定を図ることが難しいので、完全にリップレスではなく、リップの代わりになる突起を残したくなります。現在出回っているハンドメイドをルーツとするリップレス系が、何処か似た形になるのは当然かもしれない。私もそうでした。ただし、角度を付けたリップ状のものが僅かでも付いていると、引けば頭が下がるというミノーっぽい性質が必要以上に残ってしまいます。私はこれを何とかしたかった。 ボディからリップを引っ込めた完全なリップレスでありながら、僅かな力で泳ぐもの。(BKLM140は苦心の末、左右非対称形にした)長い時間をかけて、水受け面を本体断面内に収め、求めたアクションを実現することが私のリップレスの歴史でした。だから皆さんが進化したリップレスの形と思っているものと、私の実感とは逆なのかもしれない。後から発売されたものが常に新しいとは思えないのです。 シャロー用リップレスが全盛の現在、広い泳層を探れ、自由度の高いBKLMは、リップレスとしては珍しい部類になりました。貴重なので、しばらくこのまま残しておきます。泳層を意識して、ゆっくり引けば表層を狙え、中速で潜らせて、浮き上がり中に微妙な演出を加えれば、大型魚好みの動きがでます。それに多少の波気をものともしません。 残念ながら、飛距離は最新の物と比べると物足りなく感じるかもしれません。鉄球をタングステンにするだけで更に飛ぶようにはなりますが、実験すると耐久性や大物を誘う力、等、失う物が多過ぎます。現行の型を使う限り、やはりこのままがいいようです。
| http://www.tacklehouse.co.jp/ktenlab/index.php?e=10 |
| K-TEN::BKLM | 01:22 PM | comments (6) | trackback (0) | |
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コメント
二宮 さんからのコメント 2010/06/20 11:01 PM
バンクマンさん、お久しぶりです。
たしかにシングルフックを埋め込んだルアーを作っていたことがありますが、それはルンゼ以前の名無しミノーでした。 釣りたさ一心で、フックすら余計なものではないかと、見せて釣れる、ルアーをと考え、リアルで細身なミノーにしました。 しかし、釣れはしましたが、一匹釣る度に壊れるという致命的な欠点があったこと、フックを交換できなかったこと、またその頃、釣りの志向が変わってきたこと等の理由でヤメました。 ルアーの形状としては、力の強い魚を相手にするには不向きですが、現在の技術で巧く作れば可能性はあると思います。
| EMAIL | URL | 0gYKYjuA |
バンクマン さんからのコメント 2010/06/20 04:13 PM
半年振りに投稿致します。最近、バスルアーで、T社のGro○○yという、腹と尻にシングルフックを固定したルアーが、サイトで効くと評判です。たしか、二宮さんのルンゼも、シングルフックが埋め込んであったような... 鱸用のルアーの形状として有効でしょうか?個人的には、フックがボディーに当たらないので、使用中にポイントがなまらないのが良いと思います。ご意見頂ければ幸いです。
| EMAIL | URL | s23hzITY |
二宮 さんからのコメント 2009/12/23 07:00 PM
バンクマンさん、ルアーを始めた頃のロストの多さは、誰でも実感するところでしょう。
ベテランになると、特にフローティングはめったに無くさなくなりますね。 Mクワイエットですが、その能力のわりに販売数が伸びなかったので、すみませんがサイズ展開は難しいです。でも、マニアックなルアーとして大切にしていきたいです。 フックは純正の姿勢を参考に、重量合わせをすれば、使えるフックの範囲は拡がります。例えばトレブルフックの内、1本をカットしてダブルにする方法も有りです。 よろしくお願いします。
| EMAIL | URL | 6GAcwTWo |
バンクマン さんからのコメント 2009/12/22 09:25 PM
二宮さん、レスありがとうございました。早めに注文するつもりです。始めたことはとにかくロストが多くて、いくつあってもすぐ無くなってしまいましたが、今はまず無くさないので、ずっと大事に使えると思います。あと、要望ですが、Mクワイエットを少し大きくしたようなルアーは作れないでしょうか?以前、南紀の河口で会った地元青年のルアーボックスに、歯型でボロボロになったMクワイエットとワンダー(他社製品で恐縮です)だけが入っていた記憶が鮮明で、二番フック、せめて四番フックが付けられれば、是非使いたいと思います。川中の瀬にアップで入れて、着水と同時にドカンッとか。シロートのたわ言ですみません。ではまた。
| EMAIL | URL | Gi5agfS6 |
二宮 さんからのコメント 2009/12/21 05:46 PM
バンクマンさん、◇◇は。
長年に渡っての弊社ルアーのご愛用、ありがとうございます。 BKLMは、来春頃、少量ながら受注生産する予定です。これもバンクマンさん始め、BOシリーズファンの熱い応援のおかげです。 アタリカラーが用意できるかは、お約束できないのが残念ですが、よろしくお願いします。 お気に入りのルアーが、商売上の都合だけで廃番になるツラサは、私も知っているので、できるだけご希望に答えられるようにしたいです。
| EMAIL | URL | jQMlq22U |
バンクマン さんからのコメント 2009/12/19 02:48 AM
私は1998年から鱸のルアー釣りを始めました。最初の1匹は名古屋港で、BKF115RHに来ました。今にして思えば、湾奥でこのサイズを投げている人はいませんでしたが、橋脚の鱸が確り食ってきました。その後、南紀や福井の河口に行くようになり、正直なところなかなか釣れませんでしたが、BKLMだけは魚を連れて来てくれました。九州の台風後の河口で、BKLMだけで一晩で何発もヒラを釣ったり、湘南の河口で得体の知れない大型魚を掛けた(20分ファイトしてランディング寸前にフックアウト)のもBKLMでした。実はどれも同じ色で、多分通算2ダースは買っています。アクションのことはよく分かりませんが、一定以上のサイズが食ってくる、頼れるルアーでした。最近、店頭に少なく、私の当たりカラーはもう何年も見たことがありません。当面、南紀や九州の大場所に出かける余裕がないのですが、いつか再訪する際には、通販でダース買いしようと思っています。TKLMも評判が良いようですが、BKLMも(受注生産だけでもいいので)ずっと作り続けて頂けるよう、祈っております。それでは。
| EMAIL | URL | /RWptmRg |
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84年5月の釣り雑誌にリップレスミノーの記事があります。プロトは、かなり以前から作られていました。元々、重心移動が無い時代に、先行するラパラ、ロングA、レッドフィンに対抗するべく作ったルンゼというリップレスミノーが始まりでした。リップを小さくしていけば飛距離が伸びる。全部取っちゃえ、と始まりは単純でした。 そのうちに、明確に泳がなくても釣れることを知りますが、まだ不足を感じていました。この試行錯誤の頃の記事を読み返すと、出来るだけリアルに(一枚ずつアルミの鱗を千枚近く貼ったこともある)細身に、また、リングをケブラーに換えてサイレントが効くとか書いている自分がいます。今から思えば、私も本格的にスズキを狙って数年、望むことは最近の若い人と同じ、きっと誰もが通る道だったのです。

